東京都中野区で評判の動物病院【もみじ山通りペットクリニック】(年中無休・予約不要)

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

目次


猫伝染性腹膜炎について


猫伝染性腹膜炎(以下FIP)とは、経口感染された猫コロナウィルスが強毒型に突然変異し、体に強い炎症反応を来す疾患です。
FIPは、様々な場所に炎症による液体が貯留してくるwet typeと様々な臓器で肉芽腫性病変を形成するdry typeに分類されます。
wet typeの診断は液体貯留を検出し、遺伝子検査を行うことで比較的容易に診断をすることができますが、dry typeの診断は難しいとされています。



猫伝染性腹膜炎 dry typeの実際の症例


今回ご紹介する症例はdry typeのFIPを診断した症例です。

症例は猫、サイベリアン、未去勢雄、5ヵ月齢、食欲不振、ふらつきを主訴に来院されました。
体温が39.7℃と非常に高く、明らかに痩せていました。
血液検査では白血球(36100 /μl)、T-bil(1.0 mg/dl)の高値が認められました。
腹部超音波検査では両側性の腎腫大(4.5cm)と構造不整が認められました。
以上の結果を踏まえ、FIPに伴う腎臓の肉芽腫性病変を疑い、腎臓の針生検を行い、外部の検査センターに猫コロナウィルスのPCR検査を行いました。
その結果、腎臓から猫コロナウィルスが検出され、FIP dry typeと診断しました。

FIPを確定診断する方法は存在せず、現状では猫コロナウィルスが本来存在しない臓器で検出された場合は、FIPと診断することが多いです。
FIPではどの臓器に病変が多く認められるか、論文報告されているものがあります。
本症例のように腎臓で病変が認められることが多いようです。

FIPでは様々な治療方法が考案されていますが、高い効果が認められている治療方法は確立されていません。
しかし、特にdry typeでは予想を超えて生存してくれる症例が存在しているのも事実です。
諦めずに治療をすることが肝要なのではと感じます。
治療に悩まれている方はお気軽にご相談ください。

執筆担当:獣医師 陶山雄一郎