東京都中野区で評判の動物病院【もみじ山通りペットクリニック】(年中無休・予約不要)

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

目次


腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術について


愛犬、愛猫のおしっこに血が混じる、何度もトイレでおしっこをする、排尿時に痛がる、おしっこを出そうとするが出ない、おしっこがキラキラしている、などの症状がみられたことはあるでしょうか?
それはもしかしたら、尿路結石が原因かもしれません。

尿路結石の中には療法食などで溶けるもの(ストラバイト結石など)もありますが、一度形成されると溶けない結石(シュウ酸カルシウム結石など)もあります。
そのような溶解が困難な尿路結石は手術で摘出する必要があります。

尿路結石は腎臓、尿管、膀胱、尿道などに形成されますが、中でも膀胱内に形成された結石は検査でみつかり、手術で摘出する機会が多いです。

この症例は血尿と頻尿の症状があるワンちゃんですが、腹部超音波検査で膀胱内に小型で多数の尿路結石が確認されました。放っておくと、結石が膀胱の出口から尿道内に移動し、尿道閉塞を引き起こして尿が出なくなってしまう恐れがありました。

膀胱内の結石は小石ほどの大きさのものから、砂状の小さなものまで様々です。

大きな結石は鉗子などでつかみ、比較的容易に摘出できます。
しかし、砂状の細かな結石は手術用のスプーンですくい出すのですが、狭い視野の中では目視することが困難なので、どうしても取り残しが発生する可能性があります。取り残した小さな結石は、大きな結石に成長したり、尿道閉塞を引き起こしたりするかもしれません。



腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術を行った症例


本症例のワンちゃんの場合も、小型で多数の尿路結石のため、せっかく手術をしたのに細かい結石を取り残してしまう危険性がありました。そこで、腹腔鏡を用いた結石の摘出手術を実施させていただきました。

腹腔鏡を用いた腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術では、腹腔鏡という内視鏡を膀胱内に挿入し、カメラの映像で膀胱内を観察しながら結石を摘出します。
写真は腹腔鏡で観察した実際の膀胱内の映像です。中央の黄色い金平糖状のものが結石です。ピンク色の部分は膀胱壁、下の銀色の筒は吸引機の先端、左端の黒い穴は尿道です。

細かな結石を映像で確認しながら、小さな鉗子で摘出したり、吸引機で吸い出して、可能な限り全て除去します。
膀胱の出口から尿道内に入り込んだ小さな結石までカメラで追って、取り残しが無いかしっかり確認することができます。
また、膀胱壁を鮮明に映し出し、超音波検査だけではつかみにくかった膀胱表面の荒れ、炎症の状態が視覚的にわかりやすく観察できます。

さらに、手術の傷は内視鏡を挿入するための2cmほどの傷だけなので、痛みが少なく済み、動物に優しい術式といえます。
結石はキレイに取り除けました。本症例のワンちゃんは次の日には無事に退院することができました。

このように、腹腔鏡補助下膀胱結石摘出術は小さな傷で済み、かつ細かな結石を可能な限り除去できるので、外科手術でしか摘出できない結石が出来てしまった動物にとって侵襲度の少ない、精度の高い手術として提供しています。

執筆担当: 獣医師 村井晃三郎