ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、
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目次
腸重積について
腸重積とは腸の一部が腸に引き込まれ重なってしまい、腸閉塞を起こす状態のことを言います。
下痢が長期間続くことによって引き起こされることがしられ、腸重積になると嘔吐が症状として現れます。
腸重積は超音波検査で特徴的な画像が見られることが知られています。
一枚目の画像が腸が重なって写っている画像で、二枚目の画像が重なっている腸を輪切りにして写している画像です。
腸重積の状態が持続すると血流が悪くなり腸が壊死していきます。
そうなる前に適切な外科的な処置を行わなければなりません。
腸重積に対して外科的な整復を行った症例
今回ご紹介する症例は猫で腸重積に対して手術を行った症例です。
症例は猫、3歳、去勢オスでした。
下痢と嘔吐があるとのことで来院され、腸重積が発覚したため手術を行いました。
以下は手術の画像になります。
苦手な方はご注意ください。
開腹するとソーセージ状に太くなっている腸が観察されました。
外側にある腸は内側にある腸の圧迫により裂けていることがわかります。
内側の腸を引き抜くと画像のように壊死してしまっていることがわかりました。
残念ながら一度壊死した腸は機能しないため切除することになりました。
腸重積は比較的稀な疾患ですが、下痢や嘔吐などの消化器症状が持続して発症することが知られています。
軽い下痢だと思って放置することなくなるべく早く動物病院を受診しましょう。
執筆担当:
獣医師 陶山 雄一郎