東京都中野区で評判の動物病院【もみじ山通りペットクリニック】(年中無休・予約優先制)

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

目次


アナフィラキシーについて


アナフィラキシーとは何らかの物質に曝露され、全身的なアレルギー反応を引き起こし、血圧低下や臓器障害が出る疾患です。
犬、猫は、人のように「蜂に刺されたんです」「変わったものを食べたんです」というふうに話せないため、多くのアナフィラキシーは原因不明とされていますが、ワクチン、虫さされ、薬剤によるアレルギーが多いとの報告が多いです。



アナフィラキシーの実際の症例


今回ご紹介する症例は、原因はわからなかったものの、各種検査からアナフィラキシーと診断した症例です。

症例は雑種犬、去勢雄、4歳で、元気消失、嘔吐を主訴に来院されました。
体温は39.6℃と発熱していました。
血液検査では肝障害の指標となるALT(151 U/l)の上昇が認められました。
腹部超音波検査では胆のうの二重ライン(ハローサイン)が認められました。
各種検査からアナフィラキシーと仮診断し、ステロイドと抗ヒスタミン薬による治療を行い、次第に状態は回復していきました。
回復後の超音波検査画像がこちらです。
二重ラインが消失していることがわかります。
この症例は1週間ほど薬を飲んで治療終了となりました。

実際、軽度のアレルギーとアナフィラキシーを比較した時にアナフィラキシーの方がかなり高率でALTの上昇、胆のうの浮腫が認められると報告されています。
特に胆のうの浮腫は他の疾患ではあまり認められないため、診断にとても有用なようです。
本症例が本当にアナフィラキシーだったかどうかの確証はありませんが、検査結果、治療経過を見るとおそらくアナフィラキシーだったのではないかと思われます。
獣医療では人医療と違って患者から問診を取ることができませんので、検査をすることが非常に重要になってきます。
今回ご紹介した例は言葉を話せない犬猫の診断、治療を検査結果から推測した症例でした。


執筆担当:獣医師 陶山雄一郎