ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、
>こちらをご参照ください。
はじめに
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは、マダニから犬や猫、人にも感染し、重篤化する可能性のある人獣共通感染症です。本院での来院歴はありませんが、ここでは症状や治療、予防法について解説します。
原因
SFTSはSFTSウイルス(Dabie bandavirus)による感染症で、ブニヤウイルス科に属するウイルスです。 主要な感染源は、SFTSウイルスを保有したマダニの咬傷によるものです。 さらに、犬や猫の体液を介して人に感染する例が報告されています。また、同種間の感染の可能性も示唆されています。
症状・経過
潜伏期間は数日から2週間程度とされています。特に猫では急速に症状が進行し、発熱、元気消失、食欲不振、黄疸、消化器症状が認められます。猫は重症化しやすく、呼吸困難や神経症状の報告もあります。血液検査では、CK/CPK上昇、血小板減少、総ビリルビン上昇、肝酵素上昇、白血球減少などが認められます。発症した猫の致死率は60%程度と非常に高いです。
犬では、無症状から軽症が多いとされていますが、症状が出る場合は猫と同様の症状が出ます。重症化する例も報告されています。発症した場合、致死率は40%程度とされています。
診断・治療
特異的な症状がないため、院内のみの検査では確定診断には至りません。確定診断には外部の専門機関による検査が必要となります。
特効的な治療法は未確立です。一部の抗ウイルス薬が研究段階で効果が期待されていますが、治療法としては確立されていません。現時点では対症療法、支持的治療が中心となり、重症例では入院下での集中管理を行います。
予防法
犬・猫への対策として、定期的なマダニ予防薬の使用により、マダニの感染を予防することは非常に重要です。また、草むらや山林等のマダニが多い場所は避け、外出後の全身チェックによりマダニを早期に発見することも重要です。飼い主が室内にマダニを持ち込む可能性もあるため、ご自身の衣服や体表もチェックするようにしましょう。マダニを見つけた際は無理に剥がさず、病院や動物病院で適切に除去してください。また、SFTS感染疑いの動物の体液には触れないようにしてください。
最後に
SFTSは犬・猫・人に感染し重症化を伴う危険な人獣共通感染症です。未だ特異的な治療法やワクチンが存在しないため、マダニの予防が最も重要です。当院ではマダニを予防できるお薬として、皮膚に垂らすスポットタイプ(犬・猫)とおやつタイプ(犬)をご用意しております。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
中野区 動物病院 もみじ山通りペットクリニック
獣医師:原田彪