東京都中野区で評判の動物病院【もみじ山通りペットクリニック】(年中無休・予約優先制)

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

目次


心房細動、上室頻拍について


心房細動、上室頻拍とは、心臓一部がとても早く動き、心拍数が異常に上がってしまう疾患です。
通常は肥大型心筋症、心筋炎などの基礎疾患から発症することが多いのですが、獣医療では基礎疾患の診断が困難なことが多いとされています。



心房細動、上室頻拍の実際の症例


今回ご紹介する症例は心房細動、上室頻拍が認められ、内科治療で良好にコントロールできた症例です。
症例は猫、雑種、避妊雌、5歳、元気消失、ふらつきを主訴に来院されました。
普通の猫だと、心拍数は180回/分未満のことが多いのですが、この症例の心拍数は340回/分もありました。
以下の写真のように一つ一つの波の間隔が狭くなっているのがわかります。
心拍数は早ければ早いほど心臓が元気というわけではなく、適切な心拍数でないと正しい心臓の働きができません。
この症例も心拍数が早くなりすぎてしまったため、血圧が下がり、ふらつきが出てしまったことが予想されました。
治療は、上がりすぎてしまった心拍数を下げる薬を飲むことです。
この症例も薬により心拍数は減少し、次第に元気になっていきました。
約2週間後、心拍数は152回/分まで減少したものの途中で心房細動が認められました。
心房細動のときは写真のように心電図の基線が震えているように見えます。
その後数週間して、心房細動は消失し、正常な心電図となりました。
薬を飲む必要がありますが、他の猫たちと同じように暮らせるようになりました。
人間と違って犬、猫の不整脈疾患は比較的少ないため、詳しく検査をしないと発見されないことも多いです。
犬、猫は1年間で人間で言うところの4歳歳をとると言われていますので、定期的に健康診断をし、こういった病気の早期発見に努めましょう。


執筆担当:獣医師 陶山雄一郎